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「日本は世界で一番赤ちゃんが安全に生まれる国」の理由

はい!某国立大学院生で福祉プレイヤーのがんばるうーまんです!

 

今日は、日本の周産期医療について考えていきたいと思います。

 先日、「日本は世界で一番赤ちゃんが安全に生まれる国」という記事がありました。

prtimes.jp

 

 

日本の周産期医療のレベルの高さを物語っていますね。

しかし、新生児死亡率が低い国ランキングに

医療先進国であるアメリカなどの主要国がいません

同様の技術を持っているにも関わらず

なぜこのような結果になっているのでようか。 

 

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その理由のひとつは、「命の捉え方の違い」にあります。

 

日本の周産期医療では、人工呼吸器をつけようがのどや胃に穴をあけようが

とにもかくにも救命処置が第一に行われてきたようです。

 

その結果、これまで命を落としていた子どもが助かるようになり

「重症心身障害児」と呼ばれる知的にも運動能力にも重い障害を持つ子どもだちが登場しました。

そして、 日本は「世界で一番赤ちゃんが安全に生まれる国」となったのです。

 

救命処置をするのは当然のことのように思えますが、

米国などでは違います。

 

侵襲的な延命治療は行わず「自然に寿命を迎える」という選択肢があるのです。

 

山奥にある障害者の入所施設で植物状態の男の子に出会ったことがあります。

心拍も体温も確かにありました。

しかし瞼は開いたままで眼球は突出し、体動といえば痙攣があるくらいです。

目が乾燥しないように直接目にラップをしていた姿が脳裏に焼き付いています。

機械的に肺に空気を送り込み、機械的に心臓を動かし続け、

たくさんの管とつながっている彼は中学校を卒業する年齢になっていました。 

 

命の意味、生きることの意味を考えざるを得ませんでした。

 

残念ながら、重い障害を持ちながらも健常者と変わらない人生を歩めるほど

いまの日本は豊かではありません。

そんな日本で、何が何でも生きろ、育てろと親子に突きつけるのは

なにか酷なことのように感じてしまいます。

 

子どもを育てていくのは親である以上、

医療機関は「延命治療」or「自然な寿命」という選択肢をきちんと親に用意すべきです。

そして、どちらの選択をしても寛容に受けとめる社会でありたいと思います。

 

子どもの生きる権利を親が決めるべるべきではないという考えもあると思うので

そのことに関してはまたの機会に考えたいと思います。 

 

はい!がんばっていきましょう!